茨城県には、水戸偕楽園や筑波山、国営ひたち海浜公園といった全国的にも有名な観光地が多数存在します。
しかし、一歩足を伸ばせば、地元の人々だけが知る「穴場」や「秘境」と呼ばれる場所が至るところに点在し、混雑を避けながら豊かな自然とユニークな体験を満喫できるエリアが広がっています。
本記事では、茨城の隠れた魅力や、思わず「こんなところがあったんだ!」と驚くようなスポットをたっぷりご紹介。
歴史ある神社や渓谷、山間部の温泉、ローカルフードやご当地スイーツまで、知られざる茨城の真髄を掘り下げていきます。
喧騒を離れ、のんびりと過ごしたい方、新たな発見にワクワクしたい方は、ぜひこの機会に茨城の“穴場”を旅してみてください。
1. 北茨城の秘境:花園神社と花園渓谷
茨城県北部に位置する北茨城市は、自然の美しさと歴史的なスポットが融合したエリアとして注目を集めています。特に「花園神社」と「花園渓谷」は、喧騒から離れた静寂と四季折々の絶景が魅力の秘境的スポットです。
1-1. 花園神社
■ 概要
花園神社は、延暦14年(795年)に征夷大将軍・坂上田村麻呂が創建したと伝えられる由緒ある神社です。森の中にひっそりと佇んでおり、境内からは美しい渓谷を見下ろすことができます。
周囲は豊かな森林に囲まれ、訪れるだけで心が安らぐような静謐な空気感が漂っています。
■ 見どころ
- 四季の彩り: 春にはシャクナゲが咲き誇り、境内を華やかに彩ります。秋になるとモミジやカエデなどの紅葉が深い色合いをまとい、神社一帯が錦秋の世界に包まれます。
- 神社からの眺望: 花園神社の境内からは渓谷が一望でき、特に紅葉シーズン(11月頃)には撮影スポットとしても人気。観光客が増える時期でも、大洗や筑波山のような大混雑にはならず、比較的落ち着いた雰囲気を楽しめるのが魅力です。
■ アクセス
- 車: 常磐自動車道 北茨城ICから約30~40分。駐車場は神社周辺に数台分あり(シーズン中は臨時駐車場を使用する場合も)。
- 公共交通機関: JR常磐線「磯原駅」や「大津港駅」からタクシー利用がおすすめ。バス路線が少ないため、事前に時刻表をよく確認しましょう。
1-2. 花園渓谷
■ 見どころ:四季折々の自然美
花園神社とあわせて訪れたいのが、同じ北茨城市内に位置する花園渓谷。花園川上流の一帯に広がる渓谷で、花園花貫県立自然公園に指定されています。
- 春: シャクナゲや新緑がきらめき、清流とのコントラストが美しい。
- 夏: 木々の緑が生い茂り、涼やかなマイナスイオンたっぷりの空間。森林浴を求める方に絶好の環境です。
- 秋: モミジやカエデが色づき、渓谷全体が燃えるような紅葉風景に。花園川の水面に映る紅葉も見逃せません。
- 冬: 雪が積もると、静まり返った白銀の世界が広がり、一味違った荘厳さが漂います。
■ ハイキングと散策
渓谷内には遊歩道が整備されており、軽装でもハイキングや森林浴を楽しめます。途中には巨岩や滝などの絶景ポイントが点在し、写真好きにはたまらないロケーション。
標高差が比較的緩やかなコースもあるため、家族連れや初心者でも安心して歩けるのが特徴です。
2. 森林浴が楽しめる高萩市の自然散策コース
北茨城市と同様に、茨城県北部に広がる高萩市も自然豊かなエリアとして知られています。中でも横川渓谷や石滝不動尊周辺は、森林浴や滝の音に癒やされる穴場スポットが多く存在します。
2-1. 横川渓谷
■ 概要
横川渓谷は、高萩市内を流れる川沿いに遊歩道が整備されており、マイナスイオンたっぷりの森を散策できるのが最大の魅力。特に紅葉シーズン(10月下旬~11月上旬)はカエデやイチョウが色とりどりに染まり、渓谷全体が撮影ポイントの宝庫になります。
- リフレッシュ: カップルやファミリーでのピクニックにもおすすめ。所要時間1~2時間程度の軽いハイキングコースがいくつもあり、道中の小さな滝や清流の風景に心が癒されます。
■ アクセス
- 車: 常磐自動車道 高萩ICから約30分。駐車スペースが限られているため、混雑時期(紅葉・GWなど)は早めの到着を目指すのが吉。
- 公共交通機関: JR常磐線「高萩駅」からタクシーで約20~30分(バス路線は少ないため、要確認)。
2-2. 高萩市石滝地区
■ 石滝不動尊
高萩市の石滝地区にある石滝不動尊は、岩壁に不動明王を祀る珍しい信仰スポット。滝の音と鳥のさえずりが響く静寂な雰囲気が魅力です。拝殿周辺を取り囲む木々は四季を通じて彩りを変え、春の新緑・秋の紅葉いずれも趣深い光景を堪能できます。
■ 周辺グルメ
石滝地区やその近郊には、山菜や川魚を使った郷土料理を提供する食堂や小さなカフェが点在。川釣りで獲れたイワナやアユの塩焼きを味わったり、山里で採れた旬の山菜を天ぷらにした定食など、地元ならではの食文化に触れることができます。
3. 意外と知られていない南部エリアの温泉
茨城県の南部エリアにも、観光客の多い有名温泉地とはひと味違った穴場の温泉が数多く存在します。とくに潮来(いたこ)市周辺や龍ヶ崎市近郊は、首都圏から車で1~1.5時間のアクセスでありながら、ゆったり温泉情緒を満喫できるエリアです。
3-1. 潮来(いたこ)温泉
■ 場所と特徴
潮来市は「水郷地帯」として有名で、水郷巡りの舟遊びなどで知られる観光地です。その一方、潮来温泉はあまり広く知られておらず、川沿いの旅館やホテルで美肌効果が期待できる湯を楽しめるのが魅力。
- 川沿いの宿: 川沿いに建つ宿では、客室や露天風呂から水郷の風景を眺めながらのんびりする贅沢が味わえます。季節によっては花菖蒲が咲く光景を楽しむことも。
■ アクセス
- 車: 東関東自動車道 潮来ICから数分で中心街へ。東京からは約60~90分程度。
- 公共交通機関: JR鹿島線「潮来駅」から徒歩圏内の旅館や日帰り温泉施設もあり、電車旅行でもアクセス可能。
3-2. 龍ヶ崎市近郊の温泉
■ 穴場の日帰り温泉施設
龍ヶ崎市や牛久市周辺にも、日帰り温泉施設がいくつか点在しています。首都圏から車で約1時間ほどとアクセスしやすく、観光客が比較的少ないため、落ち着いた雰囲気を求める方に最適。
- 天然温泉 湯舞音(ゆぶね) 龍ケ崎店: 和風の旅館のような外観で、館内には岩盤浴やリラクゼーション施設も充実。大浴場では天然温泉を楽しめ、平日などはゆったり過ごせると好評。
- 龍ヶ崎市農業公園「豊作の湯」: 自然に囲まれた環境で、地元産の食材を使った料理や休憩スペースを備え、家族連れでもリラックスして過ごせる。
4. ローカルフード&ご当地スイーツ
茨城県を語るうえで外せないのが、郷土色豊かな食文化。穴場観光スポットの周辺には、ここでしか味わえないローカルフードやスイーツが隠れていることも多いです。特に常陸秋そばやさつまいもを使ったスイーツは要チェック。
4-1. 常陸秋そば(北部エリア)
■ 特徴
「玄そばの最高峰」と称される常陸秋そばは、香り・味わいが抜群に優れている品種として全国的にも知られています。霧のかかる茨城県北部の気候や風土がそば栽培に適しており、収穫されたそばは石臼挽きなどの伝統的製法で粉にされます。
- おすすめ店: 久慈川沿いや奥久慈エリアに老舗そば処が多数点在し、新そばの時期(秋~冬)には行列ができる店も。コシが強く、噛むほどに甘みとそばの香りが広がる一杯は格別です。
4-2. 幻の焼き芋スイーツ(県西エリア)
■ 茨城は芋の名産地
茨城県はさつまいも(特に紅はるかなど)の生産が盛んで、干し芋の産地としても有名です。しかし、焼き芋や干し芋以外にも、地元でしか出会えない“芋スイーツ”が豊富に存在します。
- 焼き芋プリン: ねっとり甘い焼き芋をペースト状にし、生クリームや牛乳と合わせたリッチなプリンは「幻」と呼ばれるほど生産量が少ない店舗も。
- スイートポテト: 高糖度のさつまいもを使ったスイートポテトは、素材の甘みを活かした素朴な味わいで根強いファンが多い。
■ 穴場カフェで限定スイーツ
県西エリア(筑西市、下妻市、古河市など)や鹿行エリアの一部には、古民家をリノベーションしたカフェがあり、季節限定の芋スイーツを提供しているお店もあります。地元の“おばあちゃんの味”を洗練させた、懐かしくも新しいスイーツに出会えるかもしれません。
穴場スポットで撮影を楽しむコツ
茨城県の穴場や秘境を巡る際、ぜひおさえておきたいのが撮影のポイントです。人が少なく、自然や伝統文化の息づく場所だからこそ、写真映えする風景に出会いやすいというメリットがあります。
- タイミング: 早朝や平日の午前中を狙うと、人混みを避けられ、光の角度も柔らかいため、幻想的な写真が撮りやすい。特に渓谷や神社などは朝の澄んだ空気感と朝日が加わり、神秘的な1枚を収めるチャンス。
- 服装・装備: 山間部や渓谷を歩く場合、足元は歩きやすい靴(トレッキングシューズやスニーカー)を選び、防寒具や雨具を携行すると安心。カメラは防水カバーやレンズクリーナーを持参すると急な天候変化でも対応可能。
- マナー: 神社や自然保護地域での撮影は、周囲の迷惑にならないように配慮することが大切。ゴミは必ず持ち帰り、三脚使用時は通行の妨げにならない場所を選びましょう。
まとめ
茨城県には、大洗や筑波山のように全国的に名の知れた観光地だけでなく、地元の人だけが知る隠れた名所や秘境が数多く存在します。
- 北茨城: 花園神社や花園渓谷で静寂に包まれた自然を満喫しよう。紅葉やシャクナゲのシーズンは格別。
- 高萩市: 横川渓谷や石滝不動尊など、森林浴や渓谷散策でリフレッシュできるスポットが充実。
- 南部エリア: 潮来温泉や龍ヶ崎近郊の日帰り温泉で、混雑を避けつつ心身を癒せる場所がいっぱい。
- ローカルフード: 常陸秋そばの風味や、幻の焼き芋スイーツなど、茨城ならではの味覚に舌鼓。
普段の観光ルートでは見落としがちなスポットも、時期やタイミングを選べば貸し切り状態ともいえるくらい静かに楽しめるのが茨城の魅力です。
穴場であるがゆえに、現地でしか得られない「驚き」や「感動」をきっと味わえるはず。混雑を避けてのんびり過ごしたい方や、新しい発見を求めている方は、ぜひ茨城の穴場巡りを計画してみてください。
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一度訪れれば、きっとまた行きたくなる魅力が、茨城には詰まっています。
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